予算の決め方
翻訳の見積を依頼する際に、一番気になるのは費用の算出方法ではないでしょうか。ここでは、見積の際に念頭に置いておくべき費用と予算の考え方をご説明します。
翻訳の費用は、基本的には「翻訳の分量×単価」で決まります。
翻訳の分量を算出する際の基準には、原文主義と訳文主義があります。
・原文主義
原文1ワード(日本語が原文の場合は1文字)あたりの単価を決め、それに文章量(ワード数または文字数)を掛け合わせて金額を決定するやり方です。発注時点で金額が確定するので、最近ではこのやり方が一般的になりつつあります。
・訳文主義
仕上がりの訳文1ページ(一般的に日本語への翻訳の場合は400字で、英語への翻訳の場合は180ワードで計算)あたりの単価を決め、それにページ数を掛け合わせて金額を決定するやり方です。翻訳会社から見ると、最終的な成果物の分量で金額が決まるというのは合理的な仕組みではあるのですが、発注者側から見ると、最初の時点で金額が確定しないというのは大きなデメリットと言えます。
従来、日本では訳文主義が一般的でしたが、原文主義が一般的になりつつあります。これは、翻訳メモリツールの普及も一因となっています。
これに加えて、10%程度の管理費を取る翻訳会社もあります。また、参考文書や流用できる文書がある場合は、その分の割引を受けられる可能性があります。
経験上、各社の単価は下記の幅に収まることが多いです(英日、日英翻訳の場合)。文書のジャンルにより、求められる専門性のレベルが異なり、翻訳者の作業の手間も異なるため、単価の水準には違いがあります。また、各ジャンルの単価に幅があるのは、各社の規模や、品質管理の仕方、仕事の進め方などに大きな違いがあるからです。
原文主義の場合の単価例
英日
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日英(ネイティブチェック付き)
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一般文書
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14~22円
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9~14円
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コンピュータ
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16~25円
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11~16円
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医薬
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18~27円
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13~18円
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契約書
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18~27円
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15~20円
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特許
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20~30円
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15~20円
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つまり、翻訳の見積を取る際は、各社の単価の違いの理由を把握し、何を優先するかを明確に決めておく必要があります。加えて、正確な見積を取るためには、まずはご依頼者様のほうでできるだけ正確に翻訳のボリュームを把握するのがポイントとなります。
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