品質のポイント
翻訳の品質は、なかなか分かりにくいものです。人の言語感覚には違いがあり、ある人が良い品質だと思っても、別の人はそうは思わないということは、実際よくあります。多くの場合、人の好みに左右されるのは事実です。これも、「言語」という特殊なものを扱う以上、仕方のない部分があると思います。
ですが、満足のいく翻訳を仕上げるためには、当然のことながら、品質という要素は欠かすことができません。この点で、依頼者と翻訳会社との間ではっきりした基準を共有しておくことが大切です。
大きく言って、重要なのは下記の2つです。
・正確さ
・読みやすさ・自然さ
しかし、これらは多くの場合にトレードオフになります。つまり、どちらを優先するかにより、訳文の質は大きく変わりますし、どちらを優先したほうが高品質ということも言えません。大事なのは読み手が何を求めるかです。
たとえば、コンピュータソフトの取扱い説明書を例にとって考えると、読み手にとって一番重要なのは、間違いなくソフトの操作ができることです。この場合は、文章の流れの自然さは、一部犠牲のなるところがありますし、それでかまわないということになります。
一方、営業目的のパンフレットなどの場合、読み手が心を動かされて商品を買おうと思うような文章が求められます。この場合には、読みやすさや自然さの比重が高まることになります。
そのほかにも、下記のようなさまざまな要素が翻訳の品質には関係しています。
・訳もれがないこと
・専門用語を正しく訳出していること
・ケアレスミスがないこと
・規約に従っていること
これらの細かい要素にも気を配って作業しているかは、最終的に大きな違いになることがあります。翻訳の見積をご依頼になる際には、品質に関して何を優先するか(何を犠牲にしてもよいか)を明確にしておかれることをお勧めします。
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