翻訳会社の仕事

「翻訳会社」が何をどのように行なっているのか、イメージできる方は少ないかもしれません。漠然としたイメージとしては、もしかすると、物音もあまりしないような静かなオフィスで、多くの人がデスクに向かって、黙々と作業をこなしているというようなものでしょうか。

ですが、実際は少し違っています。それは、翻訳会社でも、社内で翻訳そのものを行なっているところは必ずしも多くないということです。もちろん、社内に何人かの翻訳者を抱えている会社もあります。

ですが、すべての作業を社内で行なっている会社は例外中の例外で、翻訳そのものは外部委託しているケースが一般的です。ですから、より正確には、多くは「翻訳仲介会社」と言えるかもしれません。

翻訳仲介会社としての仕事

では、翻訳会社の仕事は何?と疑問をお持ちになるかもしれません。お気づきの方も多いと思いますが、その主な仕事は、外部に委託する作業の受発注業務や、作業の取りまとめになります。一般に、翻訳会社は、外部委託先の翻訳者のリストを持っています。その数は、数百人から数千人にもなることがあります。

それだけの人がいれば何でも大丈夫というわけではありません。むしろ、このリストの管理と活用に、翻訳会社の独自のノウハウがあるといっても過言ではありません。

というのは、翻訳者と言っても、翻訳であれば何でもこなすという人は例外的で、通常はそれぞれの専門分野があります。この分野の違いは、多岐にわたって、非常に細かく枝分かれしています。また、当然ながら各自が得意・不得意な文書のタイプや、個々の傾向の違いもあります。

ですから、持っているリストを最大限活用するのも容易ではありません。数百人、数千人という翻訳者のリストの中から、行う仕事の種類と性質、内容に基づいて、一番ふさわしい人を選ぶ必要があります。翻訳会社の腕の見せ所は、まさにここ、つまり、翻訳者の選定と手配の部分にあります。

チェック作業に対する考え方

ただ、もちろんそれだけではありません。翻訳者が作業を終えた後に、翻訳会社の社内(または外部に委託する形)で、チェック作業を行うのが一般的です。このチェックを行う際の作業方針や具体的な方法にも、各社違いがあります。

たとえば、一文一文をすべて人の目でチェックするという会社もあれば、一部だけスポットのチェックをするという会社もあります。PCなどのツールを使った検品作業を行うという会社もあります。さらには、「仲介」の役割に徹し、内容的なチェックを一切行わないという会社もあります。

見積を依頼し、各社の見積を比較検討する際に、各社のサービス内容と価格のバランスを考える必要がありますが、このチェック作業に対する各社の方針の違いが、もしかすると大きなポイントと言えるかもしれません。

また、作業の規模にもよりますが、比較的量が多く作業期間が短い場合は、1人ではなく複数の翻訳者に並行して仕事を頼むケースもあります。そのような場合、翻訳会社の側で、作業をうまく分担したり、作業指示を取りまとめたりという、全体の交通整理を行う必要があります。

また、各作業者から納品されてきた訳文を見て、用語や表現の整合性がしっかり取れているか、確認する必要もあります。この部分も、それぞれの会社の方針や姿勢の違いが表れる部分と言えます。

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