各担当者の役割
翻訳会社の内部では、いろいろな立場の人たちが翻訳の仕事に関わります。会社によっても当然違いますが、あまり一般的でない職種や肩書を持つ人もいます。ここでは、翻訳会社の一般的な職種別に、具体的にどんなことを行なっているのか、その仕事の内容を具体的に説明します。
コーディネータ
プロジェクトマネージャという呼び方をすることもあります。基本的な仕事は、翻訳者に作業を発注する窓口としての役割を果たすことです。各社が持っている翻訳者のデータベースから、実際の仕事の内容や諸条件に合った翻訳者を選び出し、仕事の発注手続きを行ないます。
また、会社によっては品質管理に関する仕事の少なくとも一部を行うこともあれば、お客様との折衝を行うケースもあります。さらに、プロジェクト全体のスケジュールを管理することも主な仕事です。上記のように、同じコーディネータと言っても、会社によって業務内容が大きく異なります。
※「良いコーディネータとは」もご参照ください。
チェッカー(エディター・レビューアとも)
翻訳の品質の検査を行なったり、品質のコントロールに関わる業務を行います。会社によっては、翻訳者が兼任する場合もあります。
会社の品質に関する方針により、チェッカーが行う作業も異なってきます。具体的には、たとえば、主に訳文を読んでいって、問題を見つけた場合に原文と合わせてチェックするという方法や、すべての訳文を原文と突き合わせながら読んでいくことでチェックするという方法などがあります。
営業担当
お客様との間の受注・発注の窓口となります。多くの会社では(他の業種と同様)、金銭に関わることは営業の仕事という区分けをしています。小さい会社などでは、コーディネータが営業担当も兼任している場合もあります。
お客様から作業の打診を受けると、まずは営業担当が基本的な情報の確認と、お客様への具体的なヒアリングを行います。その後、見積書を作ってお客様に提出し、必要に応じて価格の交渉を行います。あわせて、納期等の諸条件の調整も行います。
正式に案件の受注が決まると、それ以降は窓口をコーディネータに引き継ぐのが一般的です。
DTPオペレータ
DTPとはデスクトップパブリッシングの略で、PC上で専用のソフトを使い、文書のレイアウトを整える作業を指します。そのDTPを行う専門のスタッフがDTPオペレータです。
DTP作業の具体的な内容は、案件ごとの必要によって異なります。MS Word等のオフィス系ソフトウェアで簡単にレイアウトの調整をする程度のこともあれば、DTP用のソフトを使用して手の込んだ編集作業を行うケースもあります。DTPソフトには、InDesignやIllustrator、FrameMakerなどがあります。
エンジニア
翻訳の世界も、最近ではITを駆使する形に進化してきています。各作業者が、PC上で動作するいろいろなツールやソフトウェアを使って、仕事を進めています。それらのことを専門的な立場で担当するのが、この場合のエンジニアです。
具体的にはたとえば、お客様から支給された作業ファイルを特定のツールで扱える形式のデータに変換したり、作業が終わった後に元のデータ形式に戻したりする作業を行います。
さらに、さまざまなツール類の操作方法に関する問合せを受け付けたり、会社内部のPCやネットワークに関する環境の整備を担当することもあります。
ここに挙げたのは代表的な例です。会社によって、各担当者の職種の名称や役割は異なりますので、だれがどんな役割を持っているのか、見積の時点から必要に応じて確認しておくとよいでしょう。
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 Both comments and pings are currently closed.