IT翻訳の特徴
IT翻訳と一言でいっても、その内容はソフトウェアの取扱説明書や、オンラインヘルプ、システムの仕様書、マーケティング資料、Webサイトなど多岐に及んでいます。いわゆるローカリゼーションもこの中の1分野です。
IT翻訳が翻訳の中の1つの分野として確立したのは西暦2000年前後です。その頃から、インターネットの急速な普及などに伴い、関連する翻訳の仕事量が急速に増え、この分野を専門で取り扱う翻訳会社も急増しました。
国内にもIT翻訳を専門とする有力な翻訳会社がいくつかありますし、最近では国際間競争も激しくなっています。たとえば、中国やインドの翻訳会社が日本語の翻訳を手がけたりする例も出てきています。非常に競争の激しい分野です。
IT翻訳を専門とする翻訳会社の主なクライアント企業は、外資系の大手ITメーカーや、国内のIT企業です。各社が新製品が次々とリリースし、そのたびに大量の翻訳文書が必要になりますので、翻訳会社にとっても安定した収益源になっています。
この分野の翻訳の最大の特徴と言えるのは、各種ツールの活用が必須であるという点です。Tradosをはじめとする翻訳メモリツール(翻訳支援ツール)についても、翻訳会社はもちろん、翻訳者の立場でも十分使いこなすことが求められます。
逆に言うと、IT翻訳の世界では、ソフトウェアのマニュアルをはじめ、旧版文書の使い回しの比率が高い文書が多く、翻訳メモリの普及をいち早く進めることで大幅な効率化を実現してきました。今では、翻訳メモリを使用しない翻訳はほとんどないというところまで来ています。
さらに、翻訳会社の多くでは、品質管理や業務効率化のための各種ツールを導入し、翻訳作業に活用していますので、安定した品質かつ低価格の翻訳が可能になっています。IT翻訳を翻訳会社に依頼する際には、見積の段階で、どんなツールを使って効率化や品質管理を行なっているか、翻訳会社に確認してみることをお勧めします。
この分野は、翻訳者も比較的参入しやすく、実力のある翻訳者も大勢いますので、翻訳会社を通して翻訳者の経歴や実績を確認することで、よい翻訳者を見つけることができると思います。これも、見積の時点でご確認いただくとよいかもしれません。
また、ITの世界では、全世界で同時に新製品を発表するような例が増えており、それに伴って大量の翻訳を短期間で仕上げなければならないケースが多いというのも一つの特徴です。
そのため、各翻訳会社は、多数の翻訳者に同時に作業を依頼して並行して翻訳を進めることに慣れており、この面での独自のノウハウを持っています。短期間に大量の翻訳を仕上げるような場合には、その面での翻訳会社の経験やノウハウを確認してみるとよいでしょう。
※「PC関連の翻訳」もご参照ください。
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