通訳(3): 発注のポイント
あなたの会社が会議通訳の通訳者が必要になり、あなたが通訳者の手配をする担当になったとします。さてどのように手配すればよいでしょうか?
もしあなたの前任者がある通訳者を起用し、その仕事の評価も良いようであれば迷わず同じ通訳者に連絡することでしょう。あるいは、その通訳者の仕事ぶりが今ひとつということであれば別の通訳者を起用することを考えるでしょう。
通訳エージェントという存在
新たに通訳者を選ぶ場合、もっとも一般的な方法は、通訳派遣会社(エージェント)に依頼し、通訳者を派遣してもらうことです。
エージェントに依頼すれば、ある程度仕事の適性が合う通訳者を派遣してくれますし、手配した通訳者が急病などで来られなくなった場合でも、責任をもって別の通訳者を手配してくれます。そもそも、エージェント抜きにして、口コミなどで通訳者を探すのは、難しいものです。
しかしながらエージェントに依頼して手配した通訳者のスキルが満足できなかった、という例も多々あります。特に英日通訳の場合、会議に出席するクライアントや関係者自体、英日両言語が得意で、通訳者の通訳の質にシビアな評価をする、という場合も少なくないようです。
このような場合、クライアントとエージェント、そして通訳者との良いコミュニケーションが不可欠です。
よいコミュニケーションがカギになる理由
通訳の場合、翻訳とは異なり、トライアルで実力を測るのが難しいのが実情です。
また、通訳技能検定試験(通検)1級であればかなり信頼出来る通訳者ということができますが、通検は 2008 年以降行われなくなっており、エージェントの資料にある経験と実績で選ぶしかないのが現状です。
良いコミュニケーションというのは、クライアント側ができるだけ通訳の内容に関する資料などを提供することが含まれます。
「ごく一般的な内容です」と伝えておきながら蓋を開けてみたら専門用語の連続だったとしたら通訳者も対応できません。
人間は話すとき、自分の知っていることを話します。逆に知らないことは話せないわけです。誰かの話を通訳する場合にも、その話を解釈して伝えるのは通訳者の知っていることから出る、ということになります。
ですから、講演者の話を的確に通訳してほしいのであれば、講演者の知識を通訳者に与える必要があります。ですから通訳の内容に関する資料などを提供して、通訳者に予備知識を持ってもらうことは大切です。
エージェントに依頼する場合、2,3割のマージンを上乗せするのが一般的です。中には単なる「仲介料」を取って、実際にはクライアントから聞いた内容を通訳者に流すだけ、というところもあります。
仕事の内容をしつこいほど確認してくるエージェントは通訳者にとってもありがたいですし、良い仕事をしようという姿勢が伺えます。また、前述のように通訳者に予備知識を持ってもらうよう努めていることは、クライアントに対して良い仕事をすることにつながります。
プラスリンクでは品質の高い通訳者が登録されているエージェントをご紹介できますので、見積のご依頼も含め、遠慮なくご相談いただければ幸いです。
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