通訳(1): 概要
「通訳」というと何を思い浮かべるでしょうか?国際会議などでブースに入ってヘッドフォンをつけて話している人、テレビのニュースの第二音声で、英語で話す声、また有名人のインタビューで有名人の後ろにいて会話を訳している人、などかもしれません。
またそのようなプロではなくてもあなたが多少外国語を話せる人なら、旅行などで友だちや家族のために「通訳をしてあげた」という経験がおありかもしれません。
「通訳」の定義としては、通訳(つうやく)とは、書記言語ではない二つ以上の異なる言語を使うことが出来る人が、ある言語から異なる言語(例:英語から日本語)へ変換すること。また、それをする職業そのものを指す場合もある、とあります(Wikipediaより)。
通訳は「書記言語ではない」というところがポイントで、書記言語を他の言語に変換するのは「翻訳」となります。
通訳の3つの形式
プロの(職業としての)通訳にはどのような形式があるでしょうか?
主に以下の 3 つがあります。
・同時通訳 (simultaneous interpreting)
・逐次通訳 (consecutive interpreting)
・ウィスパリング通訳 (whispered interpreting)
同時通訳は、もっとも「通訳」という職業の連想させるイメージ「国際会議などでブースに入ってヘッドフォンをつけている人」に近い代表的な形式です。話し手の話が始まるとほぼ同時に話の内容を訳出していきます。通訳者は講演会場や会議場の一角にあるブースで、通訳を行います。通訳者の訳出した音声は、聴衆のイヤフォンに届けられます。
同時通訳は難易度が高く、通訳者の負担も大きいため、通常 2, 3 人がブースに入り、 およそ15 分おきに通訳者が交代します。控えている通訳者を含め、チームを組んで、単語の訳出などを行う場合もあります。
もちろん、あらかじめ講演者と打ち合わせができ、内容を知ることが出来る状況であれば、もっと精度の高い同時通訳が可能となります。
逐次通訳は、話者がある程度(数秒から数十秒)話したところで、話を止め、通訳者が訳出する、という方式です。同時通訳に比べて、約 2 倍の時間がかかってしまいますが、通訳者は話者の話をしっかり聞けますので、訳出しやすく、より正確に話者の話を訳出できます。難易度的には同時通訳よりも容易です。
ウィスパリング通訳は、同時通訳のようにブースに入って通訳をするのではなく、通訳を必要とする人の後ろに控えてささやくように通訳をします。小規模な会議でよく用いられます。専用の音声機器は必要ありませんが、ヘッドフォンをしていないため、音声に集中しにくいという面があります。
ところで「後ろに控えてささやく」通訳はインタビューや対談などでよく見かけます。海外のタレントさんの来日の時によく見かける通訳は、インタビューア(日本語)の質問の時にはタレントさんの耳元で同時通訳しますが、その後のタレントさんが話すときは、タレントさんの発言を待ってから通訳しますので、逐次通訳となります。
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