良いコーディネータとは

良いコーディネータの条件はあるのでしょうか?もちろん、コーディネータになるために必要な資格などはありませんし、業界の中でコーディネータの標準的な技術レベルが定められているわけでもありません。

ですから、実際に各社で活躍しているコーディネータの経験やスキルはさまざまです。
では、実際に、どのようにしてコーディネータの育成が行われているのでしょうか。

翻訳会社は中小・零細企業が中心ですので、トレーニングや研修の仕組みを社内に持っているところはあまりありません。ですから、典型的な例としては、英語を使った仕事の一つということで翻訳という仕事に興味を持った人が、コーディネータとして作業現場に配属され、しっかりした研修を受けることもなく、OJTで先輩から教わりながら仕事を覚えるというのが一般的です。

翻訳会社の良し悪しは、コーディネータの対応でわかると言えます。コーディネータは翻訳会社の顔とも言える立場だからです。ですから、その対応次第で、翻訳会社が信頼の置ける会社かどうかがわかります。
それを判断するには、たとえば下記のような要素があります。

優先順位を適切に判断することができるか

翻訳の仕事では、同時に考える必要のある要素が複数あり、その中で何かを優先すれば何かが犠牲になります。ですから、プロジェクトの推進役であるコーディネータには、広い視野に立ったバランスのよい判断が求められます。

端的に言えば、納期と品質と価格のどれをどの程度優先するかによって、仕事の出来は変わってきます。その仕事の性質やお客様の要望によって、3者には適切なバランスがあるため、その判断を適切に行う必要があります。良いコーディネータは、お客様にしっかりとヒアリングをすることで、最適な落とし所を見つけることができます。

仲介者として自分の立場や意思を代弁してくれるか

仕事に関する豊富な情報の中で、適宜取捨選択をしながら、だれに何を伝えるべきかを随時判断できるのが有能な仲介者です。
その際、何かの情報が不足しているようなら、自分の判断で先回りして入手するというような臨機応変な対応ができると、仕事はスムーズに進みます。

たとえば、作業者から何かの問合せを受けた場合、それをただお客様に「転送」することで済ますのが並のコーディネータです。一方で、有能なコーディネータは、自分で判断できる内容であれば適宜自分で回答し、本当に必要なことだけをお客様に確認するという動き方ができます。

さらに、過不足なく必要な点だけを伝えて相手に余計な負担を掛けさせないというようなきめ細かい気配りができるとしたら最高です。

こまめに連絡をもらえるか、それとも必要最小限の連絡だけしかもらえないか

どんな作業でもそうですが、お客の立場では、仕事がしっかり進められているかどうか絶えず不安になるものです。その心理をわかっていてこまめに進捗報告などをもらえるようだと、安心できます。結局、相手の立場に立って物事を考えることができるかどうかで、良いコーディネータかどうかが決まると言えるかもしれません。

コーディネータは実際に翻訳を行うわけではありません。でも、翻訳の仕事のすべてを取り仕切る司令塔として、たいへん重要なポジションにあります。ですから、見積の金額に表れない部分ではありますが、良いコーディネータと出会うことができるかどうかで、翻訳の仕事の成否は最終的に決まると言っても過言ではありません。

最初からコーディネータを選ぶのは難しいかもしれません。でも、翻訳の仕事が進む中で、時々コーディネータの仕事について評価してみる機会を持つとよいかもしれません。それを翻訳会社に伝えることで、何らかの改善が期待できます。

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