字幕翻訳のルール

映像翻訳の進め方」のページにて、映像翻訳の概要を説明いたしました。

ここでは映像字幕についてのあれこれをご紹介したいと思います。

外国語の映画、ドラマ、ニュース番組などを観るときに自国語での字幕、吹き替えは欠かせないものです。

字幕に関しては、プロが作成したものであれば、通常そんなに早く、目で追えないようなものを見たことがありません。また字幕が遅すぎて、映像のほうが早く回ってしまうようなこともありません。

それは字幕にはタイミングと長さのルールがあるからなのです。
それは”1秒4文字”というルールです。
また、1 画面に2行かつ20文字までというルールがあります。

このようなルールに則り、字幕翻訳を進めていく必要がありますが、その前にまずは映像字幕に必要とされる「ハコ書き」と「スポッティング」について説明いたします。

まず「ハコ書き」とは、映像を見ながら原文のスクリプトにある台詞やナレーションを字幕ごとにひとつずつ区切っていく作業です。

ハコ書きにするときは、1 つのハコに 2 人の話し手のセリフが入ることはありません。2 人の会話が重なる場合は、重要なほうの台詞にハコを切り、もう一方にはハコを切りません。これを「アウトにする」といいます。字幕にする必要がない台詞や短い感嘆詞などもアウトにする事が多いです。

ハコの切り方は区切る個所の前にスラッシュを入れ、先頭に数字を書き込んでいくという方法が一般的です。

ハコの長さにも気をつけなければなりません。0.5 秒~ 7 秒の範囲の長さでハコを表示します。
0.5 秒以下ですと一瞬で字幕が消えることになりますし、文字数の大きなハコを長い時間表示させるのも不自然です。

ハコ書きは通常、90分ものの動画で丸 1 日かかるようですので、そのことをふまえて時間の見積もりをする必要があります。

「スポッティング」とは、字幕を表示するタイミング、つまり字幕の開始点と終了点、そして表示する長さを決定する作業のことです。

通常、ストップウオッチや字幕作成ソフトウェア、映像編集機材を使って作業を行います。多少技術的な背景がある方が良いのですが、ハコ書きを行った翻訳者が担当すると効果的です。

字幕翻訳の仕方には通常の翻訳にはない決まりごとがあります。

映像を見ると分かる情報や、すでに訳出した内容のうち、話の流れから分かる情報は削ります。これはハコ書きの段階で行います。

また、マニュアルなどでは指示語を「その」や「この」などのような形で訳出することも多いかと思いますが、これらも字幕では文字数の調整のために削ることが多くなります。

字幕では通常の文章と異なり、句読点は付けません。またいわゆる「スタイルガイド」的な部分は無視して良い場合が多いです。ただし、NG ワードなどは気をつけたほうが良いかと思います。

長いセリフの場合、ハコがいくつもある場合がありますが、その場合、最後の言葉の後「―」をつけて、次に続く字幕があることを示唆する場合もあります。

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