映像翻訳の進め方

2月 8th, 2012 | Posted by 翻訳一括見積サポート in 計画 - (コメントは受け付けていません。)

最近、文字情報ではない「映像」や「音声」の仕事が増えています。すぐに思いつくのは映画の字幕ですが、実務翻訳の中でも映像の翻訳が一つの分野として確立しています。

具体的には、英語のセミナーの映像に日本語で字幕を付けたり、ネットで配信するような商品説明のコンテンツを日本語に吹き替えをしたり、内容はさまざまです。たとえば、ITのローカライズの分野でもそのような題材の案件が明らかに増えています。

映像翻訳は、独特な作業手順が必要になりますので、計画を立てる際にまずはそれを押さえておく必要があります。

映像翻訳の作業手順

具体的な作業手順としては、まず、原語の映像データをディクテーションしてテキストに起こします。これには、「テープ起こし」で検索するとわかりますが、専門の業者もたくさんいます。

その後、書き起こされた文字になったものを、翻訳者が翻訳します。その際、書き言葉と話し言葉は違うので、映像翻訳に強い翻訳者に任せるのが最適です。

そして、映像の吹き替え版を作成する場合は、ナレーターを手配してスタジオで音声の収録を行うという工程が入ります。

ナレーターはレベルがさまざまで、テレビ番組などのナレーションを担当しているプロ中のプロから、まだまだ駆け出しレベルの人もいます。

どのようなレベルのナレーターを選ぶかで費用は何倍も違う場合があるので、そのあたりは十分な検討が必要です。

そして、その後で編集作業が入ります。映像編集の専用ツール(Adobe PremiereやAppleのFinal Cut Proが代表格)を使って字幕を付けたり、音声を組み込んだ吹き替えの処理を行なったりします。これは、専門技術のある作業者を手配しての作業となります。

「尺を合わせる」作業

映像の翻訳にはいわゆる尺を合わせるという要素があります。字幕の場合はたとえば1秒につき4文字、1画面に2行かつ20文字までとかいう決まりがあり、それにあわせて訳文の長さを調整する必要があります。

吹き替えの場合も、画面上の口の動きと合わせるために訳文の長さを調整します。このあたりで技術やセンスが必要になりますので、そのあたりの知識がある翻訳会社に頼むのがよいと思います。

当社には映像翻訳に関してのノウハウがありますし、実績が豊富な信頼できるパートナーもおります。具体的な案件をお持ちであれば、まずはぜひ見積をご依頼ください。

※「字幕翻訳のルール」もご参照ください。

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多言語を同時に進める場合

2月 1st, 2012 | Posted by 翻訳一括見積サポート in 計画 - (コメントは受け付けていません。)

最近、海外向けのビジネス展開を考えておられる企業のお客様を中心に、多言語への同時翻訳のご依頼が増えています。

最近ご依頼をいただいた中には、日本のソフトウェア開発会社様から、ソフトウェア製品の輸出に伴う英語とヨーロッパの主要言語(フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語)への翻訳のお話や、工業製品のメーカー様から、会社ホームページの英語および中国語化のお話をいただきました。

それ以外にも、特に中国語への翻訳は増えています。また、アジア各国の経済発展に伴いインドネシア語、タイ語、ベトナム語、マレー語、ヒンディー語など、アジア言語への翻訳のニーズも高まっています。

日本語から多言語に翻訳する場合の注意点

ここでは、日本語から多言語への翻訳を計画するにあたっての注意点をご紹介しておきたいと思います。

日本語から多言語への翻訳を考える場合、日本語から直接各言語に翻訳するということをまず考えると思いますが、その場合、言語によっては対応が難しくなるケースがあります。

主だった言語であれば別ですが、希少言語の場合に、日本語からその言語への翻訳ができるプロの翻訳者を見つけることが難しい場合(あるいは選択肢が非常に少ない場合)があり、その場合は当然のことながら価格がかなり高くなります。

また、ヨーロッパ言語の場合は、英語からの翻訳は現地の翻訳者に依頼すればかなり安く仕上げることができます。英語からヨーロッパ言語への翻訳は、日本語からヨーロッパ言語の場合と比較してはるかに市場の規模が大きく価格競争が激しいため、翻訳料の水準も低く抑えられているのだと思います。

また、昨今の円高(ユーロ安)の影響も大きいです。日本からヨーロッパへの発注の場合、相対的にかなり安く翻訳を依頼することができます。

そう考えると、英語とヨーロッパ言語への翻訳を考える場合は、まずいったん英語にして、その後英語からヨーロッパ言語に翻訳するという2段階のスケジュールを組むのがよいと思います。

日本語から直接多言語に翻訳したほうがよいケース

これは、もちろん内容にもよります。日本の文化に関することなど、英語にしたときにニュアンスがうまく伝わらないような題材の場合は、そのような状態の英語から多言語に翻訳しても、ますます訳がわからなくなってしまうということがあります。

ですから、そのような場合は、日本語から直接多言語に翻訳したほうが、原文の意味合いをより忠実に翻訳することができますので、日本語からの翻訳をお勧めすることがあります。

また、「ハブ言語」としての英語の重要性が非常に高くなるため、英語への翻訳の品質が悪いと、各言語への翻訳の質もそれに伴って悪くなってしまいます。最初に行う日本語から英語の翻訳を、十分に実力のある信頼できる翻訳者に依頼できるかということが、非常に重要なポイントとなります。

さらに、もう一つはスケジュールの問題もあります。日本語から英語を介して多言語に翻訳する場合、2段階の工程になってしまうため、日本語から英語を含む多言語に一斉に翻訳するのと比べて、余計に時間がかかってしまいます。

一方で、中国語や韓国語などは、日本語からの翻訳である程度安くできますので、日本語からの翻訳のほうがよいケースが多いです。ただし、コンピュータのマニュアルなどの場合は、(英語からの翻訳は)中国国内の会社でかなり安く対応できるノウハウが確立しているため、英語からのほうがよい場合もあります。

上記のような要因があるため、多言語への翻訳は、段取りが重要になります。見積のご依頼の際に、お客様の場合にどのような進め方がよいかアドバイスさせていただくこともできますので、どうぞご相談ください。

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見積書の見方のポイント

12月 5th, 2011 | Posted by 翻訳一括見積サポート in 計画 - (コメントは受け付けていません。)

代表的な見積書のサンプルを使って、見積書の見方をご説明します。

① ファイルごとに項目を立てるのが一般的です。ファイルごとの詳細なカウント結果が見積のベースになっています。

② レイアウトをきれいに整える必要がある場合、DTP作業として計上するのが一般的です。簡易なレイアウト調整のみの場合は、翻訳の単価に含まれることもあります。

③ 原文のワード単価で見積もる場合の例です。翻訳会社(あるいは翻訳の分野)によっては、訳文のページ単価で見積もるのが一般的という場合もあります。

④ 原文のワード単価で見積もる場合は、ワード単価が見積の基本となります。この違いがそのまま総見積額の違いとなると考えていただいても問題ありません。

⑤ 一連の文書でも、一部のファイルの形式が異なると、単価が異なる場合があります。内容によって翻訳の難易度や手間が大きく異なるからです。

⑥ 「一式」という見積項目については、根拠を確認することをお勧めします。ちなみに、翻訳の分野によっては、「管理費」という名目で全体の10%程度の費用を取るのが一般的になっています。これは、翻訳の全般的な管理の費用を別途計上するという考え方に基づきます。

もちろん、翻訳会社や作業内容により見積項目や金額は大きく異なる場合がありますが、ほぼこの例に沿った見積り内容になるはずです。どうしても総額の違いに目が行くと思いますが、見積の内容には各社の作業方針の違いも反映されますので、総額の違いだけに注目せずに、詳細な項目についても確認されることをお勧めいたします。

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予算の決め方

10月 19th, 2011 | Posted by 翻訳一括見積サポート in 計画 - (コメントは受け付けていません。)

翻訳の見積を依頼する際に、一番気になるのは費用の算出方法ではないでしょうか。ここでは、見積の際に念頭に置いておくべき費用と予算の考え方をご説明します。

翻訳の費用は、基本的には「翻訳の分量×単価」で決まります。

翻訳の分量を算出する際の基準には、原文主義と訳文主義があります。

・原文主義

原文1ワード(日本語が原文の場合は1文字)あたりの単価を決め、それに文章量(ワード数または文字数)を掛け合わせて金額を決定するやり方です。発注時点で金額が確定するので、最近ではこのやり方が一般的になりつつあります。

・訳文主義

仕上がりの訳文1ページ(一般的に日本語への翻訳の場合は400字で、英語への翻訳の場合は180ワードで計算)あたりの単価を決め、それにページ数を掛け合わせて金額を決定するやり方です。翻訳会社から見ると、最終的な成果物の分量で金額が決まるというのは合理的な仕組みではあるのですが、発注者側から見ると、最初の時点で金額が確定しないというのは大きなデメリットと言えます。

従来、日本では訳文主義が一般的でしたが、原文主義が一般的になりつつあります。これは、翻訳メモリツールの普及も一因となっています。

 これに加えて、10%程度の管理費を取る翻訳会社もあります。また、参考文書や流用できる文書がある場合は、その分の割引を受けられる可能性があります。

経験上、各社の単価は下記の幅に収まることが多いです(英日、日英翻訳の場合)。文書のジャンルにより、求められる専門性のレベルが異なり、翻訳者の作業の手間も異なるため、単価の水準には違いがあります。また、各ジャンルの単価に幅があるのは、各社の規模や、品質管理の仕方、仕事の進め方などに大きな違いがあるからです。

原文主義の場合の単価例

英日
日英(ネイティブチェック付き)
一般文書
14~22円
9~14円
コンピュータ
16~25円
11~16円
医薬
18~27円
13~18円
契約書
18~27円
15~20円
特許
20~30円
15~20円

つまり、翻訳の見積を取る際は、各社の単価の違いの理由を把握し、何を優先するかを明確に決めておく必要があります。加えて、正確な見積を取るためには、まずはご依頼者様のほうでできるだけ正確に翻訳のボリュームを把握するのがポイントとなります。

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品質のポイント

10月 18th, 2011 | Posted by 翻訳一括見積サポート in 計画 - (コメントは受け付けていません。)

翻訳の品質は、なかなか分かりにくいものです。人の言語感覚には違いがあり、ある人が良い品質だと思っても、別の人はそうは思わないということは、実際よくあります。多くの場合、人の好みに左右されるのは事実です。これも、「言語」という特殊なものを扱う以上、仕方のない部分があると思います。

ですが、満足のいく翻訳を仕上げるためには、当然のことながら、品質という要素は欠かすことができません。この点で、依頼者と翻訳会社との間ではっきりした基準を共有しておくことが大切です。

大きく言って、重要なのは下記の2つです。

・正確さ

・読みやすさ・自然さ

しかし、これらは多くの場合にトレードオフになります。つまり、どちらを優先するかにより、訳文の質は大きく変わりますし、どちらを優先したほうが高品質ということも言えません。大事なのは読み手が何を求めるかです。

たとえば、コンピュータソフトの取扱い説明書を例にとって考えると、読み手にとって一番重要なのは、間違いなくソフトの操作ができることです。この場合は、文章の流れの自然さは、一部犠牲のなるところがありますし、それでかまわないということになります。

一方、営業目的のパンフレットなどの場合、読み手が心を動かされて商品を買おうと思うような文章が求められます。この場合には、読みやすさや自然さの比重が高まることになります。

そのほかにも、下記のようなさまざまな要素が翻訳の品質には関係しています。

・訳もれがないこと

・専門用語を正しく訳出していること

・ケアレスミスがないこと

・規約に従っていること

これらの細かい要素にも気を配って作業しているかは、最終的に大きな違いになることがあります。翻訳の見積をご依頼になる際には、品質に関して何を優先するか(何を犠牲にしてもよいか)を明確にしておかれることをお勧めします。

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スケジュールの考え方

10月 16th, 2011 | Posted by 翻訳一括見積サポート in 計画 - (コメントは受け付けていません。)

翻訳の見積を取る時点で、大まかなスケジュールの希望も伝えておくことをお勧めします。そのために必要なスケジュールの考え方をご説明します。

翻訳は人の手で行いますので、1人が1日にこなせる量が基準となります。

一般に、英語から日本語への翻訳の場合、1人の翻訳者が処理できるのは1日2,000ワード(英語の単語数)と言われています。人によっては1日あたり3,000~4,000ワード処理できるという人もいます。日本語から英語の場合は1日に4,000文字(日本語の文字数)くらいが標準的な処理量になります。

そして、同じ仕事を複数人に分けて進めることもできますので、その人数によって、1日あたりの作業量が決まります。たとえば、5人で進めれば1日10,000ワード(または20,000文字)処理できるということになります。

もっとも、一つの仕事を複数人に分けてしまうと(言語感覚には個人差がありますので)、どうしても品質面でバラつきが出てしまいます。ですから、かけられる作業期間の範囲で最小限の人数で作業を進めることをお勧めします。

また、翻訳会社では多くの場合にチェックの工程を設けています。品質確保のための重要な工程になります。翻訳者が1人で作業するだけだと、どうしても何かの間違いをしてしまっても気付きにくいということがありますので、第三者のチェックは重要です。チェックのスピードは、実施するチェックの内容によって異なりますが、ある程度の作業期間を見ておく必要があります。

スケジュール例
※翻訳のみの場合。チェックやその他の工程は考慮していません。

ワード数
ページ数(平均的な文書の場合)
1人でかかる期間
1ヶ月で仕上げるのに必要な人数
お勧めの期間と人数
(一例です)
10,000ワード
およそ40ページ
1週間
1人
1週間/1人
50,000ワード
およそ200ページ
5週間(1ヶ月強)
2人
1.5ヶ月/1人
100,000ワード
およそ400ページ
10週間(2ヶ月半)
3人
1.5ヶ月/2人
200,000ワード
およそ800ページ
20週間(5ヶ月)
6人
2ヶ月/3人
500,000ワード
およそ2,000ページ
50週間(1年)
13人
3ヶ月/4人

下記のページもご覧ください。

⇒ 複数の翻訳者で進めるケース

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